【前編】トップのシューター・スコアラーは超人ではない! 「江古田えびせん」の店長に聞く “シューティングゲーム”の○○と『怒首領蜂大往生』『斑鳩』プレイヤー

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えびせん

シューティングゲームは奥が深く、クリア以外にもスコアなどやりがいのある部分はたくさんあります。しかし「どうしたらそこまで上達するの?トップクラスの人はどうしているの?」など疑問を持つこともしばしば。

この疑問に、「えび店長」の愛称で親しまれる『Game inえびせん』店長の海老原氏が答えてくれました。海老原氏は、全一(全国1位)スコアを保持するプレイヤーでありながら、過去「わっしょい」と呼ばれるシューティングゲームの神業を披露するイベント設営などを担当・・・表と裏、両面からシューティングゲーム業界に携わってきたという実績を持っています。


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シューター・スコアラーが集うゲームセンター『Game inえびせん』

今回伺ったゲームセンターは『Game inえびせん』(以下:えびせん)。東京都練馬区にあり、西武鉄道池袋線の江古田駅南口から歩いて数分で到着します。中に入ると筐体がズラリ。置いてあるものはシューティングやパズルなどで、どれも1クレジット50円(一部100円!)で遊べます。

えびせん

えびせん階段

『Game inえびせん』公式サイト:http://www.ebi-cen.com/

トッププレイヤーのタイプ~秀才型か天才型か~

まずはトッププレイヤーのタイプから伺いました。いろいろなタイプの方がいますが、大きく分けて秀才型にあたる「目標に到達するまでのスピードが速い」、天才型にあたる「目標に到達するまでの道をワープする」の2種類に分かれるそう。

秀才型を例えるなら到達地点まで走っているイメージ。理論を元に課題のクリアなどをこなしていく、これを一般的な方が「歩く」速さで行うとしたらトッププレイヤーは「走る」速さで行っていきます。またこのタイプに該当する方の多くは、質問に対して非常に分かりやすい回答で返してくれるとのこと。
天才型を例えるなら、前を走っていたと思いきや急にその数キロメートル先に現われる感じ。「あれ?今どこを通ったの?」と思わず首を傾げてしまうのだそう。まるでワープしているかのようなイメージで、結果は理解出来るもののその過程が「どうしてそうなった?」のか「分からない」部分があるのです。本人に聞いても無意識でやっていることが多く、直感的に正解を選んでいるとしか思えないとのこと。

トッププレイヤーの練習方法は○○で決して特別なものではない

海老原氏はトッププレイヤーの練習方法について教えてくれましたが、そこに特別なことは何一つありませんでした。みな共通して言えるのは「絶対にさぼらない、やるべきことがある場合、きっちりやる」ということ。その練習には無駄がなく同じ1時間のプレイでもフィードバックがしっかりあるのだそう。
自分の好きなことなのに「さぼってしまう」、誰しもそんな経験があるかと思いますが、トッププレイヤーには全くありません。モチベーションを保つ・継続する・1プレイに対して課題を持つことを徹底しているのです。

誰もが陥りやすい落とし穴

例えば、スコアやゲームクリアなどには達成するまでに必要な要素(全体を組み立てるための小さなパーツ)がたくさんあります。これを一つ一つクリアして、その次に全体(小さな課題の連続をクリアして成り立つ形)へと進めるわけですが、ここに落とし穴があるそう。
先に先にと上達を焦るがために、まず必要な課題を飛ばしてしまったり何も考えずに回数だけこなしてしまったり・・・。するとフィードバックもなく、プレイへのモチベーションも下がってしまいます。

成功率の引き上げがどれほど大切か

海老原氏いわく「これは、100回やって1回成功したこと、つまり確率に置き換えると成功率1%のものを1%のままで行っているようなもの」。たとえば、全10面のシューティングゲームがあったとして、各面単体でのクリア率が90%あるとします。この数字だけみると全面を通してクリアできる確率は一見高そうなイメージがあるかもしれませんが、成功率90%のことを10回連続で行うと、通しでの成功率は35%弱まで落ちてしまいます。
もしこれが90%を95%に引き上げたら・・・全面クリアできる成功率はもちろん上がります。人間がプレイする以上100%はありえません。しかし最大限まで引き上げることはやり方次第で可能なのです。

つまり、90%の成功率で思考停止するのか、95%に上げるにはどうしたらいいと試行錯誤をするのか?ということなのです。

もちろん、ゲームですから遊び方は人それぞれです。しかし、お金も時間も有限ですし、せっかく目標があるならば、最大効率を上げられるようにすることは大切なのでしょう。また逆説になりますが、これを徹底すれば時間はかかっても目標にたどり着けるのです。「こういった部分を徹底しており、正しい努力の元にあるのがトッププレイヤーです。決して、真似が出来ない特別なことをしている超人ではないのです」と海老原氏は語りました。

トッププレイヤーの実例から見る「要素」や「本番だからこそ起こりうる部分」

海老原氏は幾人かのトッププレイヤーを例に、彼らが持っている要素や「本番だからこそ起こりうる部分」を教えてくれました。それは「持っている」、「天才型」、「メンタル」、「意識配分」、「プレッシャー」、「プレイの精度」。

『怒首領蜂大往生』~「持っている」プレイヤーがなしえた神業~

「わっしょい!闘会議Edition」(2015年2月1日(日)幕張メッセで開催された「ニコニコ闘会議」内イベント)では出場したどのプレイヤーも神業を披露しました。その中の一つ『怒首領蜂大往生』での話を海老原氏が教えてくれました。

『怒首領蜂大往生』はCAVEから2002年にリリースされた縦スクロールシューティングゲームで、2周目に真ボスを見ることが出来るという仕様。しかし、1周目もきついのに2周目に入ると残機は没収、さらに残機を増やすためにはステージをノーミスもしくはノーボムでクリアする必要があるという難易度の高いゲームです。
ここで登場したプレイヤーfufufu氏は、残機没収により被弾したら即GAMEOVERになる2周目1面をクリアし、途中幾多の危機に見舞われるも無事に真ボス・緋蜂を撃破。しかも、通常使用されるパターンよりも高難易度のパターンで成功。一般的に真ボスでは残機を3つ必要とするパターンが使われるのですが、途中で弾に当たってしまったため、通常よりも少ない2機になってしまったのです。
しかし彼はそのパターンも「引き出しの1つ」として組み上げて事前に用意しており、練習での成功率もごく僅かだったにも関わらず・・・本番の舞台で見事成功させました!

万が一2周目1面で死んでしまった場合、もう一度行けるだけの時間は取っていたそうですが、しかしその事態になってやり直すのはプレイヤーも見ている側もとても複雑な気持ちになります・・・。海老原氏は「『怒首領蜂大往生』は、やってはいけないタイトルだったんじゃないか(笑)」と話しつつ、「あれは本当に凄いこと。本番一発勝負の場であのパターンを決めるとは・・・やはりトッププレイヤーは少なからず持っていますね」と語りました。

「持っている」、それを例えるなら「チャンスを逃さずにホームランを打てる」ということ。実際のスコアアタックならば自己ベストの更新ペースでHITやコンボなどがつながっている時に、そのまましっかりと最後までつなげ切って結果を出せるということです。

『怒首領蜂大往生』公式サイト:http://www.cave.co.jp/gameonline/daioujo/

『斑鳩』~「なぜそれができる!?」と首を傾げるほど華麗なダブルプレイ~

『斑鳩』とはトレジャーよりリリースされた縦スクロールシューティングゲームで自機・敵ともに白と黒の属性を持っており、攻撃によって属性を使い分けて進んでいきます。同属性の攻撃は吸収でき、ため込めば「力の解放」として攻撃に移行できることも特徴です。また見出しにある「ダブルプレイ」ですが、こちらは一人でコントロールパネルを2つ操る、つまり1P・2Pの自機を同時に一人で操作することを指します。

百聞は一見にしかず。まずこの動画をごらんください。

Hattori Double-play Ikaruga Sunday Stunfest 2014 (May 4th)

こちらもスタンフェストで行われた服部氏のプレイ。コントロールパネルを2つ操り、完全なる美しいパターンで全面クリアを果たしています。余談ですが、筆者はこのプレイを配信で見ていたとき、本当に綺麗で泣いてしまいました。

海老原氏は、「先ほど話した天才型プレイヤーに当たるのが『斑鳩』ダブルプレイを行う服部氏だと語りました。まさになぜそうなるのかという「道のり」をワープしているとしか思えないそう。

『斑鳩』公式サイト:http://www.treasure-inc.co.jp/products/lp/ikaruga/ikaruga.html

トッププレイヤーの凄さと「正しい努力」

今回は、トッププレイヤーのタイプ、また彼らが普段行う練習方法について紹介しました。彼らは決して超人ではなく「正しい努力」の元にあったのです。伺ううちに、「私も今よりは上手くなれるかな?」と「モチベーション」が上がってきたのはまた別のお話!

そして『怒首領蜂大往生』『斑鳩』のトッププレイヤーの凄さ、ただただ感嘆でした。
どちらも楽しいゲームですので、みなさんも遊んでみては・・・?
後編では、『ケツイ〜絆地獄たち〜』『怒首領蜂』プレイヤーの素晴らしさ、そして“ハイスコア”文化について掘り下げたいと思います。

【参考】後編:『江古田えびせん』店長に聞く『ケツイ〜絆地獄たち〜』『怒首領蜂』プレイヤーの素晴らしさとシューター・スコアラーと共にある“ハイスコア”文化

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