【インタビュー】「自分の信じる面白さを布教したい」…『ヒーラーは二度死ぬ』Pon Pon Games 浜野 哲志

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ゲームクリエイターの熱い想いとこだわりを探り出す「中の人に会いに行く」企画。
今回ご紹介する「中の人」は、インディーゲームの祭典『BitSummit 2015』で“BITSUMMIT AWARD(ビットサミット賞)”を受賞したPon Pon Gamesの「ヒーラーは二度死ぬ」、制作者の浜野哲志さんです。

あなたは新米プリーストとして前衛で戦う騎士の傷を魔法で癒し、戦線を維持しなければなりません。前衛でモンスターと戦う仲間を魔法で回復して、戦線を押し上げて行くゲーム、それが「ヒーラーは二度死ぬ」です。

ヒーラーの楽しさを知ってほしい

Healer_ScreenShot00

平:今回の「ヒーラーは二度死ぬ」は、どういったきっかけで生まれた作品なんですか?

浜野:もともと、ファンタジーがやりたいなっていうのは「Behind You」を作っていた頃から思っていたんです。
何のゲームにしようかって考えた時に、私MMORPGが大好きなんですよ。
その中でも、攻撃を受ける役―タンクも好きなんですけど、仲間を回復するポジション―ヒーラーでのプレイも好きなんです。オンラインゲームファンにはヒーラーの好きな方がたくさんいらっしゃるので、まずそのような同好の士に向けて作りました。

ただ、やっぱり世間の人達、オンラインゲームをやらない人達からは、ヒーラーなんて面白く無いよねって思われているみたいで。
最近「オーバーウォッチ」のオープンベータテストがあったじゃないですか。
それでもプレイヤーの方々の声を聞いていると、ヒーラーなんてやりたくないのにって言っていて。
やっぱりそういった人達に、是非ヒーラーの楽しさを知ってもらいたいっていう架橋の意味もあります。

平:すごいマニアックな入り方ですね。(笑)

浜野:こういった経緯で作り始めたんですよ。
それに、自分もオフラインゲームでヒールワークを楽しみたいからっていうのもあって、作り始めました。

平:今回、ローグライクな要素もあるかと思うのですが。

浜野:そうですね、まさにおっしゃるとおりで。

平:そこらへんを、このスタイルでやっていこうと思ったきっかけはあったんですか?

浜野:いや、ローグライクになったのは本当にたまたまです。
試行錯誤しながら作っていく中で、こういうふうになったと感じています。

どうしても最初に作った時は、本当に単純すぎてゲームになっていなかったんですね。
アクションゲームとかリズムゲームだったら、本当にシンプルでも楽しむことができるんですが。
こういったシミュレーション系って、ある程度複雑さがないと面白さが見えてこないと思うんです。
なので、いろいろと要素を付け足していくうち、結果的にローグライクになったっていう感じです。

「おもしろさ」の布教活動

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平:実際に繰り返し遊んでもらって、どんどん楽しさがわかっていくっていうような感じですかね。
今回のタイトルもそうなんですけれども、いつも浜野さんがゲームを作る上で大切にされていることやこだわっているところはありますか?

浜野:自分の場合は、自分の中で思っている面白さ、みたいなものを布教したくて作っているところがあるんです。
それが伝わるようにっていうのは、いつも注意してます。

平:まさにヒーラーがそれにあたるわけですね。

浜野:ヒーラーは二度死ぬ」もそうですし、例えば「Behind You」や「ガラテイア」はスニーキングゲームなんですよね。
個人的に好きなタイプのゲームなので、やっぱりスニーキングは面白いんだって思ってもらえたらいいなと思ってます。

平:ゲームを通じて布教活動って面白いですね。
一番ダイレクトに、これ面白いって感じてもらえるやり方ですもんね。

こういうゲームに辿り着くまでに、先ほどもスニーキングゲーム、MMORPGが好きっておっしゃったんですけれど、何かゲーム作りを自分自身でやりたい、やろうって思ったきっかけになった思い出のゲームはありますか?

浜野:「聖剣伝説」ってゲームがあるじゃないですか。
ワールドマップを全部マッピングするくらい好きで。
その過程でやっぱり、世界を作るっていうのが面白いなって思って。

自分の最終理想形は「聖剣伝説」みたいな。世界をひとつ作るような。
そのうちやりたいなって、ずっとずっと思っているんですけれど、ただやっぱり、それをやるとなると大変なので。

平:ひとつの世界を作るって、壮大ですね。

浜野:でも、「聖剣伝説」の世界は小さいんですよね。
ゲームボーイの小さい筐体の中に、小さいけれども世界の全部が入っているっていうのがすごく面白いなって思います。

平:それぞまさに、自分の中の面白いが詰まった世界になるわけですよね。
今後浜野さんはどんなゲームを作っていきたい、というのはありますか?

浜野:やっぱり、自分の布教したいものを作りたいんです。
パーティを組んで役割を分担して戦う。それが好きなんですね。
「ヒーラーは二度死ぬ」がまさに、そういうゲームですし。
丁度今最近オープンベータテストがあった、「オーバーウォッチ」もやっぱりそこらへんでいろんな役割があって。
タンクとかオフェンスとかサポートとか、そういったクラスが協力して戦うゲームなんですが、やっぱりそういうのが面白いなと思っています。
そういったパーティを組んで役割を分担して戦うという楽しさを布教したいっていうのがひとつ。

それと同時にファンタジーがやっぱり好きなんですよ。
一般的なコテコテのファンタジーが好きなんですよって言うと、どうしても勇者と魔王のいる人間中心のファンタジーをイメージされてしまうんですけれども。
私が好きなコテコテファンタジーって、それではなくて、「Warcraft(ウォークラフト)」とか「WarHammer(ウォーハンマー)」ってご存じですか?
いろんな種族が出てくるんです。
ドワーフだとか、ダークエルフだとか、ノームだとか、オークだとか、ゴブリンとかが、同じ社会にいるファンタジーを布教したいんですね。
そこらへんがやりたいなってずっと思っていて。

PonPonGames_NextConcept
次にやりたいのがまさにこの絵そのものなんです。
伝統的なヒューマノイドのクリーチャーが同じ空間にいるっていうのをやりたいんですね。

平:映画でいうと、「ロード・オブ・ザ・リング」とかですか?

浜野:はい。まさにそういう感じです。

どれだけ現実を忘れられるか

平:質問としては最後の質問になるんですが、浜野さんにとって、「ゲームとは?」っていうのを聞かせてもらいたいのですが。
こちらはどうですかね?

浜野:考えたことないですね。(笑)

平:話を伺っていると、浜野さんにとってのゲームっていうのは、布教活動みたいなイメージなのかなと。

浜野:自分がゲームをプレイする上で重視するのって、やっぱり体験なんですよ。
どんな新しい体験ができるか、いかにその世界にどっぷりと浸かれるかを重視していて。
なので小中学生のころから、宿題とかの不安は事前に片づけてしまって、ゲームと現実を結びつけるような情報をシャットアウトして、シンクロ率高めてプレイに臨むっていうことをしてました。例えば人が発売前のRPGの話をしてるのを聞かないようにしたりとかですね。今もそういった姿勢はあまり変わってないと思います。
例えば、Fallout4は発売日に買いましたが、仕事がひと段落したベストコンディションでやりたいんで、まだ手を付けれていません。
そこらへんの、現実を忘れてそのゲームの世界に入り込むっていうのは、すごく重視していますね。

それが自分の作っているゲームに反映されているかっていうと、また別の話なんですけれど。やれることは限られてますし。
自分のゲームはやっぱり本当に自分の信じる面白さの布教のために作っていますね。

平:自分の信じる面白さが多くの人と共有できたら嬉しいですよね。布教って言葉すごくしっくりきます。次回作も楽しみにしています!本日はありがとうございました。

浜野:ありがとうございました。

おわりに

Healer_ScreenShot01

「ヒーラーは二度死ぬ」タイトルを見て「あれ?」と思った方もいるかもしれません。元ネタは某有名エージェントが活躍するスパイ映画から。
なぜヒーラーは二度死ぬのか。その理由はゲームのシステムにあります。どういうことか、これはご自身でお確かめください!

我こそはヒーラーだ!
仲間の支援や回復、サポートにこそ喜びを感じる!
そんな方はぜひ「ヒーラーは二度死ぬ」体験してみてはいかがでしょうか。

 

【制作者プロフィール】
PonPonGames_Portrait
Pon Pon Games
浜野 哲志

高校在学中より同人ゲーム制作を開始。大学卒業後、一般電機メーカに勤めながら、「おにゆり温泉」とともにPlayStation(R)Mobile向けゲームを制作。現在は会社を辞め、ゲームのデベロッパとしてひとりで活動中。
最新作は『ヒーラーは二度死ぬ』。

▷公式HP:http://ponpongames.genin.jp/

 

 

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