【インタビュー】「遊びたい!を形にする」…『Vritra』サルボ 佐渡 大志

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ゲームクリエイターの熱い想いとこだわりを探り出す「中の人に会いに行く」企画。あなたが遊んだあのゲームも紹介されるかも・・・?今回紹介するのは「Vritra」制作者の株式会社サルボ佐渡 大志さんです。

Vritraとは?ドラゴンとヴァジュラ(武器のようなもの)を操り、敵を撃破していく2D横スクロールシューティングゲーム。80-90年代のシューティングゲームが好きな方にはたまらないタイトル。

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平:Vritraはどのような経緯で生まれたのでしょうか?

佐渡:もともとこういうシューティングゲームみたいな、昔の80年代、90年代くらいのこういうゲームが好きっていうのがもちろんあるんですけれど。グラディウスってあるじゃないですか。新しい環境を学ぶ際に、それをいろんな環境に移植してみるっていうのをやっていて。Flashで作ってみたりとか。

iOSとかアンドロイドとかで動くグラディウスもあったんですよね。さすがにこれは売りに出せなくて。もちろん公開とかは絶対にできないですし、見せても友達くらいとか、そんな感じなんですけれど。それがもったいないぞっていう話になって。

平:それならゲームを作ってみよう、と?

佐渡:なんとなくゲームを作れそうだから作ってみましょうかっていうので。うちはずっとウェブでやっていたので、アプリの仕事っていうのは全然来なかったんですよね。ウェブだと結構テクニカルな案件とかがたくさんくるんですけど、アプリはやらないだろうって多分思われていた。それをちょっと、うちもできるんだよっていうのを見せたいというのもあって。じゃあ何か作りましょうっていう。

最初は手元にあったグラディウスみたいなものから、システムを入れ替えて、絵も入れ替えて、音も全部作って、みたいな感じで進めていったのが最初ですね。

さくっと遊べてさくっと終われるゲームにしたかった

平:Vritraを制作される上で、一番こだわったところはどこでしょうか?

佐渡:こだわったところは、ジャンル的に言ってもそうなんですけれど、さくっと遊べてさくっと終われる、ということ。あとは、やっぱり80年代とか90年代っぽさをどう出すか、みたいなところは結構こだわりましたね。当たり判定の、物がぶつかった時の壊れ方はこうだとか。

好きなゲームのオマージュ的なものをちょいちょい盛り込んだりとかは、結構意図的にやってましたね。無駄に今っぽくとか、派手すぎる感じにはしないとか。本当に80年代90年代のストイックな感じが出るといいな、というので。なので、キャラクターとかも、萌の要素とかも何もないですし。

平:そもそもなんですけれど、Vritraってどこから取ったネーミングなんですか?

佐渡:Vritraは、インドの悪い龍なんですよね。もともと企画段階の時に、他のメンバーと、主人公は何が良いかなっていう話はしていて。飛行機とかそういうのもありきたりだし。ドラゴンスピリットとかパンツァードラグーンみたいに、ドラゴンが主人公って結構燃えるよね、みたいな話が出て。じゃあドラゴンが主人公で、敵の悪役はもっとでかいドラゴンみたいなのにすると、中二的に燃えるでしょうという感じで。

平:なるほど、そこからスタートしたんですね。そこらへんも昔っぽい要素の1つ。

佐渡:昔っぽいですね。なかなかないですもんね、人以外のものが主人公って。

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ゲームを触った時の感触を大切にする

平:普段制作されている上で大切にしていることって何かありますか?

佐渡:感触ですかね。ちゃんと動かして気持ち良い感じとか。敵が爆発するとか、パズルゲームでブロックを揃えた時とかでも、演出1つで気持ちよさが全然変わるので。そういうところは結構気にしてやっています。一番は手触りのところ。

平:そういった感性を養うために、実際にやられていることとかはあったりしますか?

佐渡:それこそファミコン世代なので、昔からゲームをやっていると、ファミコンからスーパーファミコンから、メガドライブ、セガサターン諸々を通っているので、何かこういう感触だと気持ちいいとか、こういう感触は気持ち悪いからやっちゃいけないとか、なんとなくそういうのは、やっぱり。理論としてあるとかっていうよりは、焼き付いてる。染みこんでる、みたいな感じですよね。

物がバーンって弾けるのでも、等速度でワーッと弾けるよりも、ある程度までは急速に広がって、最後の割れる瞬間になったらゆっくり割れる、みたいな。そういう気持ちいいさじ加減みたいなものを大事にしているつもりです。

Flashってあったじゃないですか。それをずっとやっていたっていうのが割と大きいかも知れないですね。ずっとアニメーションとかを作っていたので、そういうこだわりは強いかもしれないです。

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オリジナルタイトルは自分の欲望を満たすために作る

平:社内で出てくる「こんなもの作りたい!」って声は大切にされていますか?

佐渡:基本的には会社で、社内で作りたいっていうものがある人のことは、別に止めることは当然ないです。社内でそういう面白い企画とかがあれば、どんどん作っていくでしょうし。広告の仕事を通じて新しいことを吸収しつつ、お金も稼ぎつつ、空いた時間と浮いたお金で、何か自分達で面白いものを作っていくっていうスタンスで、今のところはやっていますね。

自分達の作ったもので完全に収益があって、それだけで会社をまかなえるんだったらいいんですけど。あんまりそういうのは、作れないんだろうな、という気がちょっとしていて。(笑)特に考えずに趣味で作ったほうが、結果は良いだろうなと思って。ほとんど自分の欲望を満たすためだけに作っている感はありますけどね。自分で作るものっていうのは。

平:結果として次のお仕事にも繋がっていったんですね。実際にどうですか?アプリの案件としては、増えましたか?

佐渡:Vritraを作ってからじゃないと、多分アプリのお仕事が来ていないと思うんですよね。おかげさまで、いくつもゲームやアプリ開発のお仕事を頂戴出来ています。ウェブのお仕事も、Flashがほとんどなくなってるじゃないですか、今。

平:そうですね、iPhoneの影響が大きいですよね。

佐渡:iPhoneが出た時にFlashのプラグインがほとんど使われないよっていう状態になってしまって。うちもどうしようかなって悩んだところで。もちろんメンバーとしては普通にHTMLで最適なウェブサイトを組むメンバーはいるんですけれど、うちの売りとして、プロモーションとか派手な動きをしていること、みたいなものがちょっとできなくなっちゃうな、っていうのがあったところに、アプリがあったので。そのおかげで会社も生き続けていられるし。

今となっては、ウェブでCanvasとかWebGLとかを使って、こういうゲームだったり、気張ったコンテンツも作れるようになってきているので、ぼちぼちFlashがなくなっても、会社としては存続自体はできるなと。

誰も作らないようなゲームを作っていく

平:今後、どんなゲームを作っていきたいと考えていますか?

佐渡:あまり最新技術を使ったゲームとか、誰も考えもしなかったゲームとか、そういうことは個人的にはそんなに興味はないんですね。そういうのは、僕より多分面白いことを考える人とか、スキルが優れている人って山程いるので、そういう人達に任せて。僕は、自分のやりたいゲームを作ろうって思ってます。自分が好きなものを作れば、多分喜んでくれる人もいるだろうって思いながら作っています。

俺が一番取ったるぜとか、時代の先を行ったるぜ、みたいなのは本当になくて。うちの子供が友達を連れて来て、WiiUでマリオとか遊ぶんですけど、4人とかしか同時にできないじゃないですか。あぶれる子供とかが2、3人くらい出たりするので、タブレットを持って、Vritra遊んでみって言って。やったら、意外と楽しんでくれるんです。

シューティングに関して言うと、操作性のところでスマホとも相性もそんなに悪くないですし、なんとなく人間の一番根幹の部分にあるじゃないですか。弾を撃って敵を倒す、みたいなシンプルなコアの部分って。そういう古き良きものって小学生ぐらいの子達にも受け入れられる土壌が何かしらあるんだろうなっていうのをちょっと期待しつつ、好きなものを作っていくっていう感じですね。

平:やる人はやる人で他にいる、ということですかね。

佐渡:そうそう。僕より優れた人は山程いるので、お任せして。僕は誰も作らないようなものを作ったほうがいいかな、みたいな。(笑)

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まとめ

頭の中にある「こんなゲームで遊びたい!」という思いをチームで具現化してきた佐渡さん。「クリエイターっぽい受け答え出来てなくてすみません」と言いながらも、その言葉の端々からは、自分が作ったゲームで人を喜ばせたいと言う純粋な思いを感じることが出来ました。

そんな佐渡さんのこだわりが詰まったゲームVritra。シューティング好きの方は是非手に取ってみてください!

iOS版Vritraはこちら
Android版Vritraはこちら

【制作者プロフィール】
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株式会社サルボ
佐渡 大志

1976年茨城県日立市生まれ。現在横浜市在住・三児の父。映像制作〜Webサイト制作会社を経て、意気投合したメンバーとともに2006年に株式会社サルボを設立。テクニカルなWebプロモーションサイトやアプリ、ゲームの開発を行う。主な作品は VRITRA/MUGEN VRITRA/キュアリーズ/ファイナルトレジャー/殺せんせー抜き打ちテスト/しずかったー等。

▷株式会社サルボ(http://salvo.jp
▷@saddy575(https://twitter.com/saddy575

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