逆境に負けるな。フリーノベルゲーム「みすずの国」レビュー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
misuzu01

「風立ちぬ」や「かぐや姫の物語」などが放送され、スタジオジブリ作品は今も強い人気を誇っています。
人間ではない者が暮らす、不思議な世界。そんな設定に心惹かれるファンも多いのではないでしょうか。

そんなジブリ的な雰囲気を感じる短編ノベルゲーム、「みすずの国」を紹介します。

みすずの国とは

プレイ時間1時間半~2時間のノベルゲーム。
ごく普通の女子中学生として育った主人公・美鈴は、ある日人間ではないと診断されます。
美鈴は法律上人間ではなく、神通力を操る「天狗」として扱われることになりました。

政府からの監視を受けながら生きる道を捨て、特別自領区である「天狗の国」に向かいます。
京都の山奥で育まれた、独自の文化を持つ「天狗の国」。
そこは魔法のような神通力があふれる不思議な世界でした。

天狗の国の寮で出会った天狗の姫・ヒマワリ。
奔放な彼女に振り回されるうちに、美鈴とヒマワリの間には熱い友情が芽生えることになります。

美鈴の出会いと挫折、それによる成長の物語です。

トンネルのむこうは、天狗の国でした

ありふれた現実の一歩向こうにある、不思議な異世界。
そんな妖しくも魅力的な場所へ、主人公・美鈴は足を踏み入れることになります。

物語は美鈴と母親が京都駅に着いたシーンから始まりますが、その様子はいたって庶民的。
「関西弁だ……」と言葉のギャップに驚くのは、修学旅行等で似た経験があるのではないでしょうか。
そんな普通の女の子だからこそ、プレイヤーも美鈴の心情に共感しながら読み進めることができます。

旅行気分もバスに乗ると一転、ぐっとシリアスな展開に。
美鈴が向かうことになる天狗の国は、人間とはなじみの薄い、天狗の住む世界です。
ごく普通の人間として育ってきた美鈴は、親元を離れ天狗の国で暮らすことになります。

母親との別離をはじめ、天狗の国では美鈴にさまざまな壁が立ちはだかります。
そのたびに壁にぶつかっていく美鈴の強さが光る展開になっているのです。

リアルなファンタジー世界

神通力を操る天狗、そして彼らが暮らす国。
ほとんどの住民は見た目には人間と変わりませんが、中には明らかに変わった外見の人物も。

20150225171302

祭りのように賑やかな真っ赤な町は、日本ではないどこかといった印象が強く感じられます。
異国情緒あふれる世界は、スタジオジブリ作品に似た雰囲気がただよっています。

サークル代表のKAZUKI氏は、プロフィールに記載するほどの宮崎駿好き。
「スタジオ・おま~じゅ」のサークルアイコンからも、その影響が読み取れますね。

20150225115546

スタジオジブリ作品と似ていながらも大きく異なるのが、生々しく描かれる世界です。
天狗の国に向かうための問題や、人間から天狗になった際の周囲の反応などは、ひたすらにリアルで過酷です。
設定はファンタジーながら、ありふれた現実の辛さが転がっています。

それだけではありません。
天狗の国についてからも、美鈴には多くの壁が立ちはだかります。
「みすずの国」で描かれる世界は、決して優しいだけのものではありません。
登場人物の関係や感情も複雑にからまっており、時には美鈴自身も囚われることがあります。
そんな生々しくも愛おしい、リアルな異世界がプレイヤーを待ち受けているのです。

出会い、そして成長

苦しい状況に置かれ、美鈴はひとりで戸惑います。
人間の世界では天狗として異端扱いされ、天狗の国でも「人間あがり」として天狗とは認めてもらえません。
人間と天狗、どちらの世界においてもマイノリティになってしまいます。
紹介文に用いられている「運が悪い人はいる。でも、私じゃないって思ってた。」は、こうして見るとまた感慨深いものになっています。

美鈴は学校の寮で、天狗の国の姫・ヒマワリと出会います。

20150225120904

才能にあふれ、奔放な彼女に振り回される美鈴。
美鈴は同じ「人間あがり」ではなく、ヒマワリをはじめとした天狗と一緒に学生生活を送ることになります。
優秀な天狗の友人たちと過ごし、挫折や苦しみをかみしめる中で、それでも美鈴はめげずに前を向き続けます。

misuzu06

どんな時でも壁に挑み続ける美鈴の姿に、気が付けば応援してしまうプレイヤーも多いはず。

人間と天狗が暮らす不思議な世界。
逆境に負けず、強く成長する主人公。
そんなストーリーの好きな方ならば、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。

「国」シリーズの続編も公開中

「みすずの国」の続編「キリンの国」も公開中です。
今作に登場したヒマワリも出てくるようで、「みすずの国」と合わせてプレイしたい作品になっています。

さらに、「国」シリーズの新作「雪子の国」も現在制作中。
「スタジオ・おま~じゅ」の今後の展開に目が離せません。

「みすずの国」のダウンロードはこちらから

「スタジオ・おま~じゅ」公式サイト

スポンサーリンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket